結果を出すことは大事だが 僕の中では勝ち方が大事。
誰が観ても感動できる勝ち方、そんな魅力のある選手を育てたい!
一般社団法人日本体育社団法人日本パラアイスホッケー協会
日本代表チームアシスタントコーチ
信田憲司さんにインタビューをさせていただきました。
研修参加の理由は、 正直この日しかなかったんですけれど(笑) スポーツコミュニケーションという名前にも惹かれ参加しました。
研修を受けてみたら、今一番自分にとって必要なもの、これからすぐに実践してみようかなという気持ちになったと教えてくれました。
信田さんは とても勉強熱心な方で 他の指導者の指導方法に大変興味を持っていました。そこで、今回はスイミングの細川大輔コーチを紹介しプールでのレッスン見学後のインタビューとなりました。
2人とも大きいんです(笑)
信田さんは、パラアイスホッケーの他に 大学のアイスホッケーチームにもコーチとして関わっています。
研修で 弊害の意味を知った時 自分の態度、表情が弊害になっている可能性に気付き、兎に角 次の日から意識して変えてみました。
正直 急に態度を変えた時、選手がどう反応するのか恐怖感もあったんです。
そんな時、キャプテンに 「信田さん なんで変わったんですか?」と真面目顔で聞かれ、少し焦りましたが 「勝つ為には何をすべきか勉強してきたんだ」と答えその場をしのいだと笑顔で教えてくれました。
大学アイスホッケー部では、研修で掴んだヒントを基に選手に対して
「得点が取れる得意パターンを全部教えてくれ」
という声がけを始めました。
そう声をかけると フォワードの選手達は「僕はディフェンスをかわしてからのシュートが得意!」「ノーマークが得意!」「2:1からのシュート」、「僕はそういうの上手くないのでゴールの近くに行ってキーパーの後ろで待っててこぼれたパック叩く!」等と話してくれるんですよね。
また、ディフェンス陣は「僕たちは点数を取る事はできないけれど、、」と言ってきたので 「わかった、じゃぁ お前達が点数を取らせている時は どういう時なんだ?」と問い直すと、「ゴール前にパックを流した時に点数が取れています」なんて話すんですよ。
それでずーっとシーズンを通し合宿で「自分の得意なパターンは?」と声をかけ続けて、選手同士でも話させるようにしてみました。
「僕はキーパーの後ろで待っています」という選手には「そしたらそこに早く行け!」(笑)
ディフェンスはゴール前で混戦状態を作るのが得意だったら 「そういうプレーをするってフォワードに伝えとけ」と話しました。これを始めてから、今年は得点力が上がってきているように感じています。
選手全員が自分の得点パターンをセットの中でお互いに言い合っている姿は面白いし、結果としても出てきているので、今後上位チームとやった時にどう出てくるのかが楽しみだと信田さんは笑顔で語ります。
パラについては 北京を目指しています
その前に予選がありますから 始めたばかりの選手を育てています。
パラの日本代表は 世界8位 ギリで五輪出場レベルです。
パラの特徴は 世界的に選手の入れ替わりがあまりなく、変わるといきなりレベルが落ちるという事が起こるんですよね。
アメリカは元軍人が多くて 腕周りは女性のウエストくらい そんなごつい選手ばかり。中国は人口が多いので、その分パラの選手代表候補も多い。そういう意味でレベルが高いんです。
僕は、日本代表チームに「日本代表とはこういう事だよ」という事を伝えたいんですよ。
そこで「日本代表とは?」というパワポも作りました。
自分たちはパラの選手だけれども 感動するプレーをして結果も出す。
勝つことだけではなくて 他の国の選手の体を見せてこんな凄い体の選手と戦うんだということ感じて欲しい。我々も作れるでしょ、それくらいの身体は。
代表としての意識を強化していきたいんですよ
信田さんのビジョンが見えてきました。。
実際 元軍人のガタイのすごい選手からはものすごいシュートが飛んでくるということでした。
最後に指導者の在り方について訊いてみました。
指導者は結果を出すことは必要だが、僕の中では勝ち方が大事。
誰がみても感動できる勝ち方、そこまでして勝ちたいの?という嫌な勝ち方はダメだと思うんです
感動できる試合なら 次も観たいと思うでしよっ。 そのスポーツ自体に人気が出ると思うんです。ただ勝てばいいというのは違うと思う。 もう一回観たい こんなに勇気をもらえるんだったら、、。
そう思わせる 魅力のある選手を育てたいと思っています。
そう語る 信田さんは筋の通った信念を持っている素晴らしい指導者の顔をしていました。
日本のアイスホッケー界には素晴らしいリーダーがいる。強くそう感じました。
今後、パラアイスホッケー日本代表チーム、大学のアイスホッケーチーム そして何より信田さんの活躍を期待しています。
インタビュー:詫摩浩一 協力:細川大輔コーチ カメラ:詫摩世都子