「真似るは学ぶ」指導者インタビュー  NO.10

選手たちが自分と出会えた事で「何かを得て 人生のプラスになってほしい」

拓殖大学 ラグビー部 / トレーニングコーチ 森下茂さんを訪ね 八王子キャンパスに行ってきました。

 

 


東京で開催した「スポーツコミュニケーションBASIC 1 研修」に参加していただき 「ご縁」をいただきました。  八王子 高尾山入口から 近いところにグランドはありました。

グランドの奥にある室内トレーニング練習場が 森下さんの本拠地です。

拓大ラグビー部は 約80名、朝練を7時~9時まで行い、その後 授業の合間の時間を使い 24人ずつトレーニングにやってきます。  

ウエイト中心に 怪我をしない身体、当たり負けない身体を作る為のトレーニング。 授業が終わると学生たちが集まってきます、音楽もかかり 森下さんと談笑する姿はなんだかとても楽しそうな雰囲気です。

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森下さんは 2人の方に大きく影響されてトレーニングコーチを目指すことになります。自身は 29歳まで ラグビーの現役選手 その後スポーツクラブに就職。 ここで今のトレーニングの基礎を教えてくれた方と出会います。

トレーニングの魅力に目覚めた森下さんは スポーツクラブをやめ 独立。その3年後から 拓殖大学ラグビー部との縁が生まれ 今年で16シーズン目に入っています。

拓大のラグビー部のコーチになってから、朝倉コーチとの出会いがあり 現在は「ムーブメントコーチ」として拓大ラグビー部を指導しています。

16シーズン 平坦な道のりではありませんでした。

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ある年、前年は3位の成績で、その時の選手が4年生としてチームにいたので 優勝を狙っていたのですが、突然の2部への降格。 

ありえない結果でした。 今思い起こすと あの当時 良かれと思い練習中の私語も禁じ、情熱的に指導をしていたけれど 結果的に学生を怒ってばかり、信頼関係を築くことができなかった。 学生と話しても話してもうまくいかなかった。 

森下さんはそう語ります。

この時、自分の中でも感じることがあり、独学で学びながら思い切ってチームとして必要な基本練習は森下さんから 学生に指示を出し、それ以外は「学生に任せる」スタイルへ練習方法を変えました。

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その結果 翌年には1部リーグに復帰を果たすことができました

あの時、森下さんは学生に対し「こっちに来い」という態度で接していた事が学生に大きく影響したのだということは わかっています。 

ラグビーには「規律」という言葉があり、それゆえ あの時は「学生に言わなくてはいけなかった」、いや「言わないほうがよかった」という2つの気持ちが今も交差していると 森下さんは振り返ります。

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今回 スポーツコミュニケーション BASIC1研修に興味を持ち参加してくれたのにはこういう背景もあったのですね。

研修の中で「弊害」という言葉に触れた時、正直 今まで考えたこともなかった、そして ホワイトボードに書き出された事柄は、自分の中にも当てはまる事がある。

正しい事だけを言ってもダメなのだという事に改めて気付かされたと話してくれました。

今だったら、あの時もう少しうまく対応できたかもしれない、あの時の選手達に申し訳ないなぁ とも感じたそうです

森下さんは、コーチとして 「生涯現場に立ち続ける」を目指しています。

日本にトレーニングという概念が生まれて約40年。40年間トレーニングコーチとして現場に立ち続ける事は大変なことで、森下さんが知る限り 日本でただ1人だけなのだそうです。

トレーニング先進国のアメリカでは 映画みたいに70歳でも若い選手を指導するトレーニングコーチがいる。

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森下さんも ここを目指しています。

ここまで学生の部活に関わってきているので これから先も学生を指導からは離れたくない。

そして 選手たちが自分と出会えた事で「何かを得て 人生のプラスになってほしい」 

森下さんは とても嬉しそうな表情でそう話してくれました。

これから10年、20年後 楽しそうに指導する森下さんが目に浮かびます。

 

 

拓殖大学 ラグビー部 ホームページ

http://www.takushoku-rugby.com/ta_zhi_da_xue_li_ze_hui_ti_yu_juragubi_bu/4nian_sheng.html

 

インタビュー:詫摩浩一    カメラ:詫摩世都子